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キレの良い短編集をお探しの方に

今月石黒正数先生の作品が二冊出まして、「それでも町は廻っている」三巻は買えたのですがもう一冊がどこにも見あたらず、ようやく発見出来ました。表紙だけ見たらEDENの外伝か何かかと勘違いするというか「それでも町は廻っている」と同じ作者だと誰も気付かないんじゃないかというかそんな感じでした。こりゃ見つからないわけだ。
というわけでPresent for meをご紹介。今回からアマゾンリンクはこっちでやってみる。カーソル合わせると書影が出ます。
やっぱりこの人短編だとキレが増す。台詞回しにセンスを感じる。そしてどれも「あわよくば連載を」という下心をまったく感じない潔さ。

・ススメサイキック少年団
1ページ目の「ある研究を目的とした極秘機関の研究施設が……あったのだがなくなった」という下りが最高。トビラにキャラが五人いるのに二人出てこないとか、ノリツッコミのテンポがすでに完成されているとか現在の作風に繋がるものがすでにできあがっている。超能力に対する問題提起みたいなものがまったくなく、単にネタのためにそうしましたという感じが逆に素敵。

・Present for me
表題作。壊れかけたロボットと少女の物語。あえて少女にコトバを発せさせず、ロボットの台詞だけで進め、落語っぽいオチに至るまでの完成度が非常に高い。解説には地球がもう悲惨な事になった世界ということになっているのだけどその感じがまったくないのだけが残念か。二人に焦点を合わせすぎて世界の悲壮感が画面から伝わらない。でもそれで困ることはまるでなくて読者の想像にゆだねれば良い、と考えればこれはこれで良かったのかもしれない。良作。

・なげなわマン
リストラされた中年男性がなげなわで復讐しようとしたら人の役に立っちゃったのでなげなわで人のために働こうとする漫画。ネタだけで純粋に作られていてオチまでしっかり出来ている。こういうの描かせると本当にうまいと思う。

・カウントダウン
人類滅亡をテーマにしたショートフィルムを高校の映研が作ろうとする作品。まったく同じテーマでほとんど同じオチの作品が藤子先生がすでに作っていたりするが、切り口は違うので問題ないでしょう。こういう「試行錯誤をそのままネタにする」というのはわりとありがちだけど劇中劇のセンスの良さとオチの秀逸さは流石。「やっちまったー!」はホントに色んな意味でやっちゃった感が素敵すぎる。どれもそうだがオチの切れ味の良さが光るなあ。

・バーバラ
ありがちなネタに対するアンチテーゼ的な作品の作り方が多い中でこの作品は直球。ひょんなことから一人暮らしの男の元にやってきた魔法少女がブスだったというそれだけの作品ながらオチが画力による力業となっていてパンチが効いている。うん、実際こういう事も絶対どこかであるよな。

・泰造のヘルメット
ジャガーさんの珍笛みたいなネタ。どれも安全基準満たしてないんじゃないかとかそういう野暮はなしの方向で。実験作みたいな作品だな、これ。

・ヒーロー
悪の組織がなくなったらヒーローはどうなるんだろう、というネタはわりと色んな人が考えて描いていたりすると思うのだけど、そういうネタ。怪人側から描いた傑作「ぽちょむきん」とかアガルタの作者が昔同人誌で「引退した宇宙刑事」というのを描いたりとか新鮮味はもうないけど、これがデビュー作という辺りがこの作者の特異性を表していると思う。おとぎ話の「めでたしめでたしのその後」的な話は(星新一も桃太郎のその後の話を書いた事があったな)、終わってしまった状態からどう転がすかで個性が出ると思うのだけど、一番無難な所に落ち着いちゃったかなーという気もする。



キレの良い短編をご所望の方は是非読んでいただきたい。気に入ったら「それでも町は廻っている」も是非読んでいただきたい。一巻の方向性が微妙に定まっていない部分の面白さは見物です。
    20:11 | Trackback : 0 | Comment : 0 | Top
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