バカは至高の褒め言葉
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2007.05.19 Sat 20:16
最近読んだ漫画でオススメを列挙してみます。もっと知らない作家の発掘とかした方がいいんだろうけど最近あんまり本屋行ってないもんで。
・とめはねっ! 河合先生の最新作。 書道をテーマに送る一大叙情詩。ウソ。 わりとゆるめな学園生活と、しっかりとスポ根的展開を織り交ぜてしまう(書道なのに)河合先生はやっぱり凄いと思いました。 スポ根勝負モノの導入として「主人公がまったくそのジャンルを知らなかったがやってみたら実は結構すごい才能の持ち主だった」というお約束の流れがありますが、書道でそれをどうやるんだと思ったら帰国子女だから筆持ったことない、という設定で見事にクリア。おそるべし。ヒロインはそもそも字が下手だったというのもまた愉快。多分毛筆が苦手なんだと思います。硬筆は普通に丸文字なんじゃないかなあ。私は小学生の時に書道やってましたが今ではまったくその面影もなく、適当な字になってしまい、先日筆で名前を書かなければならない局面に立たされたときにパソコンで文字打って楷書で出力してなぞるというひどい裏技をやってしまったことがあります。 基本の「永」の字や「一」から書き始める初歩の初歩をしっかりと説明して、部長達の作品はちゃんと大学の先生とかに書いてもらった本物の作品を使用。私のようにパソコンのフォントではなく、しっかりと本物を使っている事で作品の説得力も上がりますね。うまくない字もちゃんとそれなり。 読むとなんとなく字を綺麗に書いてしまったりとかします。きっと読んだ人みんなやってる。 書道というとりあえず誰もがある程度経験したであろう分野だけになんとなく親近感をもてるこの作品、ホントにおすすめ。お読み。 ・邪眼は月輪に飛ぶ 藤田先生の短編。これは珍しいな。こんなに短く話まとめられたのか。 でも蝶オススメ。 むかしむかし、一羽のフクロウがいた。 そのフクロウは、残念ながらただのフクロウではなく。 フクロウに見られた者が死んでしまうという恐ろしいフクロウだった。 そのフクロウを唯一撃ち落とした男が、鵜平という猟師。ただ、とどめを刺すことはできず、妻を失った。 13年後、日本に再び現れたそのフクロウによって400万人以上が殺され、アメリカ軍もまったく刃が立たずに精鋭が殺され、もう一度鵜平とフクロウは東京で対峙する。 恐ろしい化け物との戦いは、もう藤田先生なのでそれはもう凄いわけです。近代兵器が何の役にも立たずに次々と殺されていくアメリカ軍の精鋭。正直狙撃のプロ達が登場したときにわざわざプロフィール込みで紹介されてた時に「ああ、こいつら死ぬんだな」と思っちゃいましたけど。 所謂「プロ」が自信満々にプロフィールを言い出すのって明確な死亡フラグだよね。テリーマン効果(※)のための。 フクロウとの戦いは、その恐ろしい能力との戦いなのだけど、本当に強いのは能力や武器の強さではなくて、愛の力(微妙に語弊がある気がしますが)だというのも藤田先生らしいよね。鵜平と養女、輪の二人の距離や、フクロウが鵜平と戦う理由や、よく考えたらこれ以上書くとただのネタバレになってしまうんで書けませんが、ただの異能者バトルではない、同時に流れるもう一つの物語こそがこの作品の本当に描きたかったものなのかもしれません。 作品としての面白さもさることながら、各所に張り巡らされた伏線が結末までにきっちり収束している無駄のない展開はさすがです。二度読めば全ての行動や展開がクライマックスのシーンにつなげるためにあったということがわかります。 そして後書きの四コマの舞台裏「このページにトーン貼って!」「必要ないと思います!」というアシスタントとのやり取りは笑った。確かに必要ありませんな。つうかここまで全部一人で描いたのか。ホワイトはさすがにアシスタントがかけたとは思いますが。 本編とは関係ないですが作中に出る方言が新潟の方言に近いですね。「あんげのモン」とか「ムリらった」とか。山の言葉については聞いたことがないんでモデルがいるかどうかはわかりませんが。 ともかく完成度の高さと迫力と輪ちゃんの魅力は一見の価値アリです。というか読め。 (※)テリーマン効果…たぶん初出は小川雅史先生の速攻生徒会。作中ではテリーマン現象だったかもしれない。主人公側でそこそこ強い位置にあるキャラがあっさりやられてしまうことで敵の強さをわかりやすく表すこと。連続勝負ものの漫画ではそのジャンルが生まれた時から脈々と受け継がれてきた伝統的な演出。これに名前を付けたのが多分小川先生。ヤムチャ効果とも言っていた。 非常に対照的な二作ですがどちらも面白いです。でも二作とも元はサンデーの作家さんで、そしてどちらも(多分)初の青年誌作品というのは偶然の一致です。担当さんがそっちに移ったから、とかそんな理由だったりするかもしれんなあ。 アマゾンのアフィ貼りましたけど本はできれば地元の本屋で買って欲しいところです。どっちもそれなりに刷られてるだろうから見つからないってこともないだろうし。書影がわかればお店で見つけるのも楽でしょう、きっと。 ↓以下拍手コメントレス。 |
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