丘サーファーという言葉があります。
サーフボード持って歩いてサーファーだということを顕示しつつ実際にはサーフィンなんてやんない人のことだと思います。海に出ないのでよく知りませんが。
世の中にはこういう人多いですよね。
積みモデラーもそういうタイプだと思うのですが。買って箱積むだけで組み立てないモデラー。別に転売目的とかじゃなくて、作りたいのだけどとりあえず買うだけ買ってしまう人。
大概こういう人は目標だけ高くてスキルがともなわないせいで作るふんぎりがつかなかったりするのだと思います。時間がないというのももちろんありますけども。真面目に作ろうとすると時間かかりますからね。
私も何個かプラモ積んでますけど。
しかしせっかく買ったプラモ、ちゃんと作ってあげたい。
でも時間かかるしそもそもちゃんと作れるほどのスキルも知識もない。
そんなわけで色々と調べて無駄に耳年増になっていたら、一冊の本の存在を知りました。
パーフェクトモデリングマニュアル―MAX渡辺のプラモ大好き! (1)
(アマゾンに飛びますが今在庫ないみたい)
MAX塗りという技法を編み出した
MAX渡辺さんのプラモ入門書です。
正直MAX塗りという名前とかで勝手に
痛い人だと思い込んでて避けてたんですが(失礼な話だ)、いろんなプラモサイトで絶賛していたのと偶然立ち寄った書店に置いてあったので買ってみました。表紙のちょっとどうかと思うパース(手がでかすぎ)が面白いです。中身と関係ありませんが。
これが面白い。
まずきっかけとして「昔プラモ作るのが好きでホビージャパン(以下HJ)とかも読んでたけどどうやってもHJに載ってるような作例が作れなくて逆ギレしてプラモやめちゃった女子」であるところの
大越さん(元々アイドルだか声優だかやってたけどこの仕事やってから完璧にモデラー系の仕事しかしなくなっちゃったというかサイト見る限り「KiraKira☆メロディ学園一期生」とか「DEAR+ME」とかが黒歴史扱いされてるっぽい人)がMAX渡辺さんからプラモ作りを教わるというカタチで連載がスタートしています。どんな道具があるのかとか今どんなプラモが売ってるのかとか
部屋の環境作りとかそういうレベルからスタートしています。
痛快なのが「プロモデラーなら当たり前」な常識が彼女の前ではまったく通用しないこと。
ヤスリがけする理由も「雑誌に書いてあるから」ってだけ。やってみたら細かい傷がついてなんだこりゃと逆ギレしたり、継ぎ目消ししてみてもうまくいかなくて逆ギレしてみたり、専門の工具を見て「高いよ!」とバッサリ斬ったり「これなら似たようなのが100均で買える」と言い出して
実際使えたり。どっちかというと読者にとても近い存在で、親近感沸きまくり。素組み派モデラーや積みモデラーは大越さんに共感する部分多いと思います。一冊にまとまっているので成長度合いがすごく早いように見えますが回を追うごとに
どんどん伸びていく大越さんの髪の毛を見ればどれくらいの歳月がこの一冊に凝縮されているかわかると思います(表紙だと髪長いですが第一回ではショートカットです)。
そんな素人モデラー大越さんが素組みして、ガンダムマーカーで色塗って、継ぎ目消して、サフ吹いて、エアブラシ買って、MAX塗りを覚えて、オリジナルカラーに塗るまでに成長します。素人らしい勘違いや間違い、失敗を繰り返してくれるので読者にも本当に理解しやすくなっていて、本文もほとんど二人の対談形式になっていて写真も豊富で大越さんの顔やMAX渡辺さんの顔も豊富で正直
後者はどうでもいいですが大変読みやすいです。もうちょっと写真なんとかせえとか思わなくもありませんがそれは言うまい。去年あたり電撃ホビーでも似たような企画やってましたがこっちの女性はわりと可愛かった気がするけどどうでもいいですね。
ともかく最近のはよく出来てるみたいだしプラモ久しぶりに作ってみたいなーという人には本当におすすめの一冊です。たぶんホビー雑誌の作例とか作り方とか読んでもある程度の用語やテクニックは「知っていて当然」というスタンスで書かれてしまうのでよくわかんないと思いますし。
「別に俺MAX塗りとか覚える気ないしさー」という人でも
綺麗に素組みするためのテクニックもあるのでその部分読むだけでも価値はあると思います。さすがにプロポーション改造テクニックまでは載ってませんが。
雑誌読んで作ったつもりになってる「読むだけモデラー」から卒業したいアナタにもおすすめ。これで積みモデラーから卒業しましょう。
問題は丘サーファーと違って
どっちにしろモテないという点ですが。